熊本の介護の今と未来を考える

更新:2016-05-13

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201606 日本は急激な高齢化に伴い、世界でも類を見ない超高齢社会に突入しています。変化を続ける介護業界の現状と今後の展望を、熊本を拠点に活躍する4人の方に語っていただきました。

 

ゲスト紹介(右から順に)
・熊本県特定施設入居者生活 介護事業者連絡協議会会長ツ黴€ツ黴€藤井 泰彰さん
・全国小規模多機能型居宅 介護事業者連絡会代表ツ黴€ツ黴€川原 秀夫さん
・全国社会福祉法人 経営者協議会副会長 ツ黴€小笠原 嘉祐さん
・公益社団法人 日本介護福祉士会副会長 石本 淳也さん


課題は人材不足、 イメージアップも大切

―― 今、何が課題だと思いますか?

石本 「せーの」で一斉に言うと、みんな同じ答えが返ってくると思うのですが、「人材不足」でしょうね。

小笠原 遅かれ早かれ、外国人の受け入れは始まるでしょう。かつて介護はサービスではなく、家の仕事でした。日本は急激に高齢化し、介護サービスが対価性となった。商品化された介護をこれからどうするかも問われていると思います。

石本 幅広い世代や障がいのある方に社会参加の延長として、介護に関わってもらうことも考えられます。

小笠原 介護系学校を卒業しても就職しないのが問題。介護は新しい仕事です。医師や看護師のように、専門職としてアイデンティティーを高めていく方法を考えなければいけません。

川原 お金の問題もきちんとしないといけない。専門職がやるべきことと一般の人が手伝ってできることを分けないと、給与は上がりません。

img2石本 介護の人材構造を、専門性が不明確な「まんじゅう型」から専門性を明確にする「富士山型」へという設計図は国から示されています。

川原 それをやらないと、専門職の給与は上げられないですよね。

藤井 プロとして働くからには、家族と同じ介護ではいけない。絶対にまかせられる介護をしないと、介護職のポジションは上がっていきません。

石本 介護の名前をいっそ変えては、と思うんですよね。むしゃんよか(かっこいい)名前に(笑)。

藤井 3K、4Kのイメージがありますが、実際は他の業種より就業時間などの労働基準は厳しく守られています。


―― 人材を集めるには?

石本 少子高齢化で若者向けの商売は成り立たなくなるので、他産業からの流入が起きるでしょう。ただ、戦力となる若者の絶対数も減るため、ある程度柔軟な発想も必要です。

小笠原 介護がきちんと職種になるというイメージ戦略もしなければいけないです。

石本 今、「介護の日」のイベントで、若い人へアプローチしています。やりがいのある仕事として認められることが絶対条件です。外国人を受け入れる場合も、日本の介護福祉士が語学など能力を高めることも必要だと思います。

川原 介護が下働きのようになっている現状を変えなければいけません。人が人を支え、社会参加の手助けをする仕事ですが、そのやりがいを感じることができていないのではないでしょうか。現場がトータルでやらないと楽しみも生まれてこないと思います。

藤井 私の事業所では現場がケアマネと一緒にプラン作りに加わるので、モチベーションも上がるようです。

小笠原 人材が足りないという現実があり、外国人介護職の問題は、後4~5年で抵抗感がなくなると思います。

川原 人員配置の規制を見直せば、今の人材でも回ると思うのですが…。

小笠原 質は落とさず、現実に即さない基準はどうにかしないとですね。 ―― 地域包括ケアシステムの中で、高齢者住宅が果たす役割とは?

小笠原 住まいは地域包括ケアシステムの根底です。まず医療・介護ありきと思いがちですが、住まいがあって受け皿が成り立つ。住まいから出発しないといけません。

藤井 永住できる住まいが必要ですよね。特別養護老人ホームが不足している現状で、特定施設がその役割を担うようになっていくかもしれません。

小笠原 日本は住み替えがうまくいかないですね。介護度が上がると施設を移らなければいけない現状があります。ヨーロッパでは自分の家具を持ち込み、引っ越し感覚です。住み替えていくことに抵抗が少ないようです。

藤井 それぞれいろいろな形の住宅があるので、ニーズとのマッチングをしていかないといけません。


―― 地域包括ケアシステムの中で、高齢者住宅が果たす役割とは?

小笠原 住まいは地域包括ケアシステムの根底です。まず医療・介護ありきと思いがちですが、住まいがあって受け皿が成り立つ。住まいから出発しないといけません。

藤井 永住できる住まいが必要ですよね。特別養護老人ホームが不足している現状で、特定施設がその役割を担うようになっていくかもしれません。

小笠原 日本は住み替えがうまくいかないですね。介護度が上がると施設を移らなければいけない現状があります。ヨーロッパでは自分の家具を持ち込み、引っ越し感覚です。住み替えていくことに抵抗が少ないようです。

藤井 それぞれいろいろな形の住宅があるので、ニーズとのマッチングをしていかないといけません。

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